NVIDIA、四半期売上1000億ドル目前で1080億ドル予測

NVIDIAが過去最高の四半期売上962億ドルを達成し、次期1080億ドル予測でAI需要の拡大を示す。

投稿者 central
NVIDIAのデータセンター事業が売上の92%を占め、AI需要が成長を牽引。
ハイライト
  • NVIDIAの第2四半期売上は962億ドルで過去最高を記録した。
  • データセンター事業の売上は前年同期比で2倍以上に拡大した。
  • 次期第3四半期の売上予測は1080億ドルで1000億ドル超えが目前。

エヌビディア(NVIDIA)が2027会計年度第2四半期(2026年4月~6月)の決算を発表し、売上高が過去最高となる962億ドル(約14.4兆円)に達したことを明らかにした。同社のジェンスン・ファンCEOは、この結果について「GPUとAIインフラに対する前例のない需要」が牽引したと説明。特にデータセンター向け事業が前年同期比で2倍以上に拡大し、同セグメントだけで890億ドルという驚異的な売上を記録している。

これにより、エヌビディアは直近の四半期売上高でついに1000億ドルの大台に肉薄。次の第3四半期(7月~9月)の見通しとして、同社は売上高1080億ドルを予測しており、企業として初の「四半期売上1000億ドル超え」を目前に控えている。これまでにAmazon、Apple、Alphabet(Google親会社)といったテックジャイアントが四半期で1000億ドルを超える売上を達成してきたが、エヌビディアはその仲間入りを果たそうとしている。

四半期売上高962億ドル、AI需要が記録的な成長を牽引

今回の決算発表で最も注目すべきは、企業全体の収益源としてデータセンター事業が占める割合の大きさだ。第2四半期のデータセンター売上高は890億ドルに達し、これは前年同期から倍増以上。エヌビディアの総売上の実に92%以上をデータセンター事業が占める結果となった。この数字は、生成AI(人工知能)向けの大規模計算需要が依然として拡大の一途をたどっていることを如実に示している。

純利益も急拡大。第2四半期の純利益は597億ドルとなり、前年同期比で2倍以上に増加。営業利益率や純利益率も極めて高い水準を維持しており、エヌビディアが「世界で最も利益率の高い企業」の一角であることを改めて印象づけた。同社のビジネスモデルは、GPUのハードウェア販売に加え、ソフトウェアエコシステムやデータセンター向けソリューションの提供で高付加価値を生み出す構造へと進化している。

データセンター事業の急成長がもたらした意味

エヌビディアのデータセンター事業は、第1四半期の約790億ドルから第2四半期には890億ドルへと、わずか3カ月で100億ドル以上の増収を達成。この成長率は、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)やエンタープライズ企業がAIインフラへの投資を加速させていることを示している。

特に注目されるのは、H100やH200、そしてBlackwellアーキテクチャを採用した次世代GPUへの需要が依然として供給を上回っている点だ。エヌビディアは「Blackwellプラットフォームへの移行は順調に進んでおり、第3四半期以降に本格的な収益貢献が見込まれる」と説明している。Blackwellは従来比で数倍の性能向上を実現するとされており、さらなる収益押し上げ要因となる可能性が高い。

エヌビディアの収益構造──ゲーム事業からAI企業への変貌

かつてエヌビディアの主軸はGeForceブランドで知られるゲーミングGPU事業だったが、現在その姿は一変している。第2四半期のゲーム事業売上は大きく伸びたものの、データセンター事業の規模と成長率に比べれば相対的に小さく、事業ポートフォリオの軸足が完全にAIとデータセンターインフラへと移行したことが明確になった。

この変貌は、エヌビディアの時価総額や企業価値にも大きな影響を与えている。同社の時価総額は約3兆ドルを超え、Apple、Microsoftと並ぶ「世界三大企業」の一角に君臨。半導体メーカーとして初めて、クラウド企業やソフトウェアプラットフォーマーと同等の評価を得るに至った。

次の四半期に1080億ドル──史上最高益更新の公算

エヌビディアが第3四半期に予測する売上高1080億ドルは、前期比で約12%の増加に相当する。このペースが継続すれば、通期の売上高は4000億ドルを超える可能性もあり、エヌビディアは世界有数のモノづくり企業として新たなステージに突入する。

ただし、この成長がいつまで続くかについては市場の見方が分かれている。GPUの需要は確かに高いが、競合するAMDやIntel、さらにはGoogle(TPU)やAmazon(Trainium)などクラウド事業者による自社開発チップの台頭も無視できない。特に、推論処理に特化したカスタムASIC(特定用途向け集積回路)が普及すれば、エヌビディアのGPU依存度が低下するリスクも存在する。

それでも現時点では、CUDAエコシステムによるソフトウェアのロックイン効果や、大規模言語モデル(LLM)の学習に不可欠な高性能GPUへの需要は衰えを見せていない。エヌビディアは、Blackwell以降のアーキテクチャで競争優位を維持する戦略を掲げており、2028年に向けたロードマップも公表済みだ。

株価と投資家心理──成長持続への期待とリスク

決算発表後、エヌビディアの株価は時間外取引で上昇。投資家の間では「AIバブル」と「構造的成長」の間で議論が続いているが、現時点の業績は後者を強く支持する内容となっている。エヌビディアのPER(株価収益率)は30~40倍台と決して安くはないが、売上高が年率80~100%で成長していることを踏まえれば、同社のバリュエーションは妥当だとの見方も多い。

今後の注目点は、エヌビディアが売上の大半を依存しているハイパースケーラー各社が、今後どの程度のペースでAI投資を続けるかという点にある。Meta(旧Facebook)やMicrosoft、Google、Amazonの各社は、AI戦略の要としてGPU投資を積極化しているものの、資本効率への圧力が高まれば投資の優先順位が見直される可能性は否定できない。

世界経済と半導体市場への波及効果

エヌビディアの急成長は、台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子といった半導体受託製造企業、さらにはSKハイニックスやマイクロンといったメモリメーカーにも恩恵をもたらしている。AI向けの高性能GPUやHBM(高帯域メモリ)の需要増加は、半導体サプライチェーン全体を活性化させている。

一方で、エヌビディアの成長が一服した場合の影響も無視できない。半導体業界はエヌビディアの業績に大きく左右される構造になりつつあり、投資家やアナリストは「エヌビディア一極集中」のリスクを指摘する声もある。しかし現状では、AI向け半導体への需要は供給を大きく上回っており、エヌビディアの成長持続を裏付ける材料の方が多い。

エヌビディアは次の第3四半期、四半期売上高1000億ドルの壁を突破するか。1080億ドルという予測が示すのは、同社がAIの波を確実に捉え、その中核プレイヤーとしての地位を盤石にしているという事実に他ならない。

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