Valveは、家庭向けPCゲーム機「Steam Machinea」の日本国内での販売を、KOMODOを通じて正式に開始した。約15cm角のコンパクトな立方体筐体に収められた本製品は、リビングルームのテレビに接続して使用することを想定した、PCゲーム体験の簡素化を目指すコンソール型ゲーミングPCである。価格は、Steam Controllerが付属しない512GBモデルで18万9980円からと、決して安価な設定ではない。
Steam Machineの価格帯と販売形態
Steam Machineのラインナップは、ストレージ容量とSteam Controllerの有無により、複数の価格帯が用意されている。最もエントリーに近い位置づけとなるのが、512GB NVMe SSDを搭載し、コントローラーが同梱されないモデルで、価格は18万9980円だ。これにSteam Controllerを追加した場合、20万4980円となる。より大容量のストレージを求めるユーザー向けには、2TB NVMe SSDモデルが単体で24万9980円、Steam Controller同梱版で26万4980円と設定されている。
製品概要:小型筐体に詰め込まれたゲーミングPCの理想
本製品は、Valveが長年手がけてきたPCゲームプラットフォーム「Steam」を、家庭用据え置きゲーム機の形式に落とし込んだものだ。そのサイズは一辺約6インチ(約152mm)の立方体で、従来のゲーミングPCとは一線を画すコンパクトさを実現している。狙いは、リビングルームでの使用を前提に、PCゲームの複雑なセットアップや設定を簡素化し、より多くのユーザーにリビングでのPCゲーム体験を提供することにある。また、Steam Deckと同様に、ゲーム開発者にとっては単一のハードウェア仕様に合わせて最適化を行うことができる、安定したプラットフォームとしての役割も期待されている。
主要スペック詳細:徹底解説
Valveは米国時間6月22日、Steam Machineの発売に合わせて最終的なハードウェア仕様を公開した。以下、主要な構成要素を詳述する。CPUには、AMDのZen 4アーキテクチャを採用し、6コア12スレッド、最大ブーストクロック4.8GHz、TDP 30Wのプロセッサを搭載。グラフィックスは、セミカスタムのAMD RDNA 3をベースとし、28個のコンピュートユニット(CU)を備える。最大持続クロックは2.45GHz、TDPは110Wと、高いグラフィックス性能を発揮する。システムメモリは16GBのDDR5、ビデオメモリは8GBのGDDR6を搭載する。
ストレージは、512GBまたは2TBのNVMe SSDが標準搭載され、さらに高速なmicroSDカードスロットにも対応。これにより、本体のストレージ容量を容易に拡張できる点は、後述するアップグレードのしやすさにもつながる。ポート類は、DisplayPort 1.4(最大4K/240Hz、8K/60Hz対応)とHDMI 2.0(最大4K/120Hz対応)を各1基ずつ装備し、HDR、FreeSync、デイジーチェーン接続にも対応。USB-A 3.2 Gen 1×2、USB-A 2.0×2、USB-C 3.2 Gen 2を備え、有線ではギガビットイーサネット、無線は2×2 Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3をサポートする。OSはSteamOS 3で、本体重量は2.6kg、サイズは高さ152mm(脚を除くと148mm)、奥行き162.4mm、幅156mmと、まさにハイエンドゲーミングPCのパフォーマンスを極小筐体に封じ込めた。
他の据え置きゲーム機にはない、Steam Machineならではの特徴
Valveは、単に小型のゲーミングPCを製造したわけではない。本製品には、PlayStation 5やNintendo Switch 2、Xbox Seriesといった既存のコンソールには見られない、複数の独自機能が用意されている。
第一の特徴は、2TBモデルに標準装備される「取り外し可能なフェースプレート」だ。これはXbox 360のフェースプレートカスタマイズを想起させる仕組みで、ユーザーはコンソール本体の外観をある程度自分好みに変更できる。第二に、Steam Machineはアップグレードの自由度が高い。本体内部のmicroSDカードスロットにカードを追加する、または内蔵のソリッドステートドライブ(SSD)を交換することで、ストレージ容量を容易に増やすことが可能だ。RAMのアップグレードも理論上は可能だが、その手順はストレージ交換に比べるとやや複雑になる。第三に、本機は必要に応じて通常のPCとしても動作する。マウスとキーボードを接続し、モニターに繋げば、Linuxデスクトップ環境として使用可能。さらに、SteamOSの代わりにWindowsをインストールする選択肢も用意されており、その場合でもPCゲームをプレイできる。ただし、Windows環境での動作は、SteamOSが提供するような滑らかなゲーム体験とはならない可能性がある。
Steam Controllerとエコシステムの完成
Steam Machine向けに設計されたSteam Controllerは、本体とのシームレスな接続が可能だ。最大4台のコントローラーをコンソールに簡単に接続でき、マルチプレイヤーゲームをリビングで楽しむための環境を整えている。ただし、メモリ不足の影響による世界的な部品価格高騰が、この先進的なゲーミングコンソールの価格を押し上げているのも事実であり、日本国内での導入には、相応の先行投資が必要となるだろう。