アルカラス、シェルトンに敗れ全米オープン史上最遅決着

全米オープン準々決勝でアルカラスがシェルトンに敗れ、大会史上最も遅い午前3時34分の決着記録を樹立。

投稿者 central
ハイライト
  • シェルトンの平均時速210kmを超えるサーブがアルカラスの防御を崩した。
  • 第5セットのタイブレークをシェルトンが10-7で制し、初のグランドスラム準決勝進出を決めた。
  • アルカラスは約4カ月ぶりの復帰戦で長時間試合に苦しみ、足を引きずる場面も見られた。

全米オープン(USオープン)男子シングルス準々決勝で、現地時間の3時34分に決着した試合が、大会史上最も遅い終了時刻の新記録を打ち立てた。第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が、同大会初の準決勝進出を果たしたベン・シェルトン(アメリカ)に4時間28分の激闘の末、2-3で敗れたのだ。前回記録は2022年に同じアルカラスがヤニック・シナー(イタリア)との準々決勝で記録した午前2時50分で、今回はこれを1時間近く更新する歴史的な深夜決着となった。なぜこれが全米オープン史上最遅決着となったのか。前回記録を1時間近く上回る、午前3時34分の決着。その要因は、両者の激しい打ち合いによる長時間の試合展開にある。

序盤の主導権争いと第1セットの死闘

試合は、両者譲らず一進一退の攻防から始まった。アルカラスが第1セットをタイブレークの末に7-6 (7/5)で先取するも、シェルトンは第2セットを6-1で圧倒。その後もシェルトンが第3セットを6-3で奪い、アルカラスは第4セットを6-1で返すというシーソーゲームとなった。

特に第5セットは、両者のサービスゲームが安定し、ブレークを許さない展開に。最終的にタイブレークへ突入し、シェルトンが10-7でこれを制した。この最終セットだけでも1時間以上を要しており、これが全体の試合時間を押し上げる大きな要因となった。

なぜアルカラスは敗れたのか──試合を分けた3つの要因

シェルトンの圧倒的なパワーが、アルカラスの防御網を打ち破った。最大の武器であるサーブは、平均時速約210kmを超え、アルカラスに対しても効果的に決まった。また、強烈なフォアハンドは、アルカラスがカバーしきれないエリアを鋭く射抜いた。

さらに、試合の流れを読むシェルトンの戦術的な成長も見逃せない。第4セットで打ち合いを優先しすぎた結果、アルカラスにペースを握られたものの、最終セットでは再び強打を軸としたアグレッシブなスタイルに戻し、主導権を譲らなかった。

そして、アルカラス側のフィジカル面の不安だ。約4カ月の離脱から復帰したばかりのアルカラスは、今大会を通じて調子を取り戻しつつあったが、この試合では特に後半に足を引きずるような場面も見られた。長時間の試合に耐えうるスタミナと、完調時の爆発的なフットワークには、まだ少し距離がある印象だった。

全米オープン史上最遅決着がもたらすもの

今回の記録更新は、単なる長時間試合の結果ではない。ナイトセッションで行われるトップシード同士の対決は、どうしても試合開始が遅くなる。そこに、今回のような5セットの死闘が重なれば、深夜まで試合が及ぶのは避けられない現実だ。

テニス界では、選手の健康面や観客への配慮から、試合開始時間のルール変更やタイブレークの導入が進められているものの、今回の試合は「深夜決着が生むドラマ」の魅力と、「競技としての持続可能性」の間に存在する、いまだ解決されていない課題を浮き彫りにした。

シェルトンはこの勝利で、初のグランドスラム準決勝進出を決めた。準決勝では、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。一方、敗れたアルカラスは、2023年のウインブルドンに続くグランドスラム連覇を逃した。故障からの復帰途上で、完全な状態ではない中での力戦は、今後のテニスキャリアにおいて大きな意味を持つ一戦となった。

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