日銀CPI予想通り。ユーロドル押し目買い戦略を公開

日銀CPI予想通りで円安継続、ユーロドル押し目買い戦略をデイトレーダーZERO氏が推奨。

投稿者 central
日銀CPI予想通り、ユーロドル底堅く押し目買い戦略が注目される。
ハイライト
  • 日銀CPIは予想通りの1.8%で、円安トレンド継続が再確認された。
  • 米国株堅調もドル買いには直結せず、米国債への信認低下が背景にある。
  • ユーロは財政統合の進展で相対的に選好され、中長期の構造変化が進行中。

8月21日の外国為替市場で、日銀の7月全国消費者物価指数(CPI)を受けてユーロドルが底堅い動きを見せた。市場予想通りの結果となったことで材料出尽くし感が広がる一方、日米欧すべての地域で国債と法定通貨への信認が揺らぐ中、相対的にユーロが選好される構図が浮かび上がっている。デイトレーダーZERO氏は、この流れを踏まえ「ユーロドルの押し目買い」を当面の投資戦略として推奨する。

日銀CPIは予想通りの1.8%、前回からの加速が示す円安圧力

総務省が発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前年同月比+1.8%となった。市場予想と一致する結果であり、前回6月の+1.6%からは加速している。

この数字は、日銀が目標とする2%には依然として届かないものの、物価の基調が緩やかに上向いていることを示すものだ。エネルギー価格の下落が一服したことに加え、食料品やサービス価格の上昇が全体を押し上げた格好だ。

ただし、注目すべきは数値そのものよりも市場の反応である。予想通りだったことで日銀の追加利上げ観測が大きく膨らむことはなく、円買い材料としては限定的だった。むしろ、中長期的な物価上昇を見据えた「円安トレンドの継続」が市場の共通認識として再確認されたとみるべきだろう。

米国株堅調も為替への波及は限定的、S&P500とナスダックが小幅高

8月20日の米国市場では、S&P500種株価指数が前日比33ポイント高(+0.43%)、ナスダック総合指数が113ポイント高(+0.43%)と揃って上昇した。ハイテク株を中心に買い戻しが入り、リスク選好の兆しも見られた。

しかし、為替市場への波及効果は限定的だ。株式市場の好調はドル買いに直結せず、むしろ「株高=リスクオンの円安」という従来の構図が薄れつつある。背景にあるのが、米国の財政赤字拡大への懸念だ。バイデン政権下での大規模な財政出動が続くなか、米国債の需給悪化を警戒する向きが強まっている。

これにより、安全資産とされてきた米国債への資金流入が鈍化し、ドルの信認にも影を落とし始めている。市場の関心は「どこの通貨を買うか」ではなく「どこの通貨なら買えるか」という消去法のフェーズに入ったとも言える。

日米欧すべての法定通貨が曲がり角、浮上するユーロ買いの論理

現在の外国為替市場を俯瞰したとき、日本・米国・欧州のいずれの地域も、それぞれの事情を抱えて通貨の信認が揺らいでいる。

日本では、日銀の金融政策正常化が緩慢なペースに留まる一方、政府の債務残高は先進国で突出している。米国は前述の通り財政赤字の膨張が止まらず、ドルの購買力低下を懸念する声が根強い。そして欧州も、エネルギー価格の高止まりや域内経済の停滞がユーロ圏の成長を圧迫している。

この三方ともが課題を抱える状況下で、相対的に見たときに浮上するのがユーロだ。

デイトレーダーZERO氏はこの点について、「日米欧ともに国債と法定通貨の人気が低下しており、その中で消去法によりユーロが選ばれる可能性がある」と分析する。欧州中央銀行(ECB)が利下げ局面にあるものの、日本の日銀や米国のFRBと比較すると、金融政策の正常化が先行しているという評価もある。実際、ユーロ圏のインフレ率はなお高止まりしており、ECBが急激な利下げに踏み切る可能性は低いとみられている。

ユーロドル押し目買い戦略の具体的な考え方

では、具体的にどのような戦略を取るべきなのか。ZERO氏が推奨するのは、ユーロドルの押し目買いである。

ユーロドルは、欧州経済の相対的な強さとドル安の進行が重なり、中期的な上昇トレンドが形成されつつある。テクニカル的には、20日移動平均線や50日移動平均線がサポートラインとして機能しており、短期的な調整局面を拾って買いを入れる戦略が有効とされる。

具体的なエントリーポイントとしては、

  • 1.10台前半に押し戻された場面での買い
  • 日足の一目均衡表の雲の上限付近での買い
  • 米国の経済指標でドルが買われた後の押し目

などが考えられる。ただし、方向感が定まりにくい相場環境にあるため、ポジションサイズは通常の半分以下に抑え、損切りのラインは明確に設定しておくべきだ。

財政リスクが通貨の価値を左右する時代へ

今回の相場環境を特徴づけているのは、「財政リスクが通貨の価値を直接的に左右する」という構図である。

これまでは、各国の金融政策の方向性が為替の主要なドライバーとされてきた。しかし現在は、政府の財政規律が問われる時代に移行しつつある。日本の国債市場では日銀の買い入れ減少に伴う需給悪化が懸念され、米国では利払い費の増大が財政を圧迫している。その点、ユーロ圏は復興基金の運用が始まったことで一定程度の財政統合が進み、単一通貨としての安定性が評価されている。

この流れは、短期的なイベントではなく、中長期の構造変化として捉える必要がある。年金基金や保険会社などの機関投資家が、ゆっくりとではあるが確実に通貨配分を変更しつつあることは、今後の相場の下支え要因となるだろう。

投資判断は自己責任で、余裕資金で臨むのが鉄則

為替投資は常に大きなリスクを伴う。レバレッジを効かせた取引では、わずかな逆行で証拠金を失う可能性もある。

ZERO氏も、余裕資金でポジションを小さく取ることを推奨している。特に現在のような方向感が定まらない相場では、無理にエントリーするよりも、明確なシグナルが出るまで待つ忍耐も重要だ。

ユーロドルの押し目買い戦略は、あくまで一つの仮説に基づくトレードプランである。最終的な投資判断は、自身のリスク許容度と市場環境を照らし合わせて行うことが求められる。今後の注目ポイントは、9月に予定されているECB理事会での利下げ判断と、米国の雇用統計の結果次第で変わるドル金利の行方だ。これらの発表を前に、まずは市場の反応を見極める姿勢が賢明と言えそうだ。

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