ホワイトハウスに米国の暗号資産(仮想通貨)業界の首脳陣が集結したとの報道を受け、8月20日の東京市場ではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめとする主要な仮想通貨が軒並み高騰している。ビットコインは1BTCあたり1092万円前後で推移し、イーサリアムは約35.3万円、ソラナ(SOL)は約1.33万円で取引されている。世界の暗号資産時価総額は393兆円に達し、ビットコインの市場占有率(ドミナンス)は約59.3%に上昇した。
ホワイトハウス会合の内容と出席者
米ホワイトハウスは8月19日、仮想通貨および予測市場、伝統的金融の経営トップを招いた非公開の会合を開催した。この会合には、トランプ大統領に加えて、証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長、商品先物取引委員会(CFTC)のマイク・セリグ委員長、大統領顧問のパトリック・ウィット氏ら政府高官が出席。産業界からは、Coinbasea、Ripple、Kraken、Robinhood、Gemini、Nasdaq、ICE(インターコンチネンタル取引所)といった主要企業の首脳が顔を揃えた。
この会合は、9月15日に行われる次期大統領選挙に関連した投票が最大の焦点とされ、仮想通貨の規制枠組みや業界の成長戦略について活発な議論が交わされたとみられる。政府と業界がこれほど高いレベルで一堂に会するのは異例であり、市場には政策期待が急速に広がっている。
ビットコイン、直近60日でナスダックを上回るパフォーマンス
ビットコインの相対的な強さが顕著になっている。Glassnodeの資産横断比較によると、過去1年の期間ではビットコインは44%下落した一方、ナスダック100は24%上昇しており、その差は68ポイントに達していた。しかし、直近60日に焦点を当てると状況は一変する。ビットコインが2%上昇したのに対し、ナスダック100は3%下落し、ビットコインが5ポイントの優位に転じているのだ。
アルトコインにも波及するトレンド転換
このトレンド転換は、アルトコイン市場でより鮮明に現れている。イーサリアムは1年間で56%安、ソラナは58%安と大幅な下落を経験したが、直近60日ではイーサリアムが12%高、ソラナが10%高と急回復。ナスダック100とのパフォーマンス差は、イーサリアムが15ポイント、ソラナが13ポイントのプラスとなり、仮想通貨市場全体が伝統的なテクノロジー株をアウトパフォームしている構図が浮き彫りになった。
リップルが11%急反発——韓国地銀が初導入
リップル(XRP)は、24年11月以来の安値圏から急反発し、11%の上昇を記録した。きっかけは、8月18日に発表された機関投資家向け事業における2つの具体的な成果である。まず、韓国の全北銀行が同国の地方銀行として初めてRipple Paymentsを導入。これは、数日を要することもあるSWIFT経由のコルレス送金を置き換えるもので、法人向けのクロスボーダー送金(国際送金)に活用される。実用化が明確になったことで、リップルの実需が改めて評価された格好だ。
仮想通貨市場、今後の焦点は?
今回のホワイトハウス会合は、単なる政策対話の場を超え、仮想通貨が米国における主要な資産クラスとして認知されつつある証左といえる。市場の関心は、9月15日の投票結果と、それに伴う規制の具体化、そしてSECやCFTCの新たなガイドライン発表に集中している。ビットコインが再びナスダックを凌駕するパフォーマンスを見せている現状は、機関投資家の資金が再び仮想通貨市場に流入し始めている可能性を示唆しており、年末にかけてのトレンドが注目される。また、韓国におけるリップルの実採用事例は、他の地域への波及効果も期待され、暗号資産のユースケース拡大という観点からも引き続き注視が必要だ。