国内のゲームスタジオilluCalab.が立ち上げた新レーベル「quziralab.」は6月8日、『マインスイーパー』型のパズルアドベンチャーゲーム『Bloody Grids』を正式発表した。対応プラットフォームはNintendo SwitchとPC(Steam)で、価格は税込980円。2026年夏の発売を予定しており、発表と同時にSteamストアページの公開および体験版の配信が開始されている。
『Bloody Grids』とは——マインスイーパーにRPG要素を融合した新感覚パズル
本作は、グリッド上に記された数字を手がかりにマスを開き、目的達成を目指すという『マインスイーパー』の基本設計を継承しつつ、レベルや戦闘といったRPG的な要素を組み合わせた意欲作だ。舞台は近未来の地球。人類が宇宙進出に適応した生命体を生み出すため、地下研究施設で非合法の遺伝子実験が行われていた。しかし実験中に事故が発生し、無数の変異生物が施設内に解き放たれてしまう。
プレイヤーが操作するのは、その研究所の被検体である少女。実験によって向上した身体能力を駆使し、モンスターを倒しながら施設からの脱出を目指す。倒した敵からは「生体ゲノム」を獲得でき、これを用いて自身を強化。地上へと続く道を切り開いていくストーリーだ。
レベル差が勝敗を分ける——戦闘システムの詳細
ゲームプレイの核となるのは、マス目に書かれた数字を頼りにモンスターの位置と強さを推理するプロセスだ。開いたマスの周囲8マスにモンスターが存在する場合、そのモンスターたちのレベルの合計値が数字として表示される。プレイヤーはこの情報をもとに、安全に戦える相手から順に撃破していく戦略が求められる。
戦闘の成否は、少女とモンスターのレベル差によって明確に変化する。少女のレベルがモンスターより3以上高い場合は無傷で勝利。レベルが同じか、少女がやや高い場合はダメージを受けるものの勝利できる。しかしモンスターのレベルが上回っている場合、その差分に応じたダメージを受け、場合によっては接敵しただけでゲームオーバーとなる。たとえば、少女のレベルが4のときにレベル1の敵には無傷で勝てるが、レベル50の敵に遭遇すれば即座に敗北する仕組みだ。
このため、単なる運任せのマス開きではなく、「どのマスに何レベルのモンスターが潜んでいるか」を論理的に推理し、安全な経路を確保しながらレベルを上げていくという、パズルと育成が融合した独特の緊張感が生まれている。
HPと回復要素——マインスイーパーとの決定的な違い
本作の特徴として、プレイヤーキャラクターにHP(HITS)が設定されている点が挙げられる。従来の『マインスイーパー』では地雷を踏めば即ゲームオーバーだが、『Bloody Grids』では小さなミスなら即死にはならない。リソースを消費して最大HPをアップさせたり、ブロックを破壊したりすることも可能。マスの中には回復アイテムが隠されており、攻略においては回復のタイミング管理も重要な要素となる。
また、敵の中には特殊能力を持つ個体や、特殊な配置パターンを持つモンスターも登場する予定で、単なる数字パズルに留まらない奥深いゲームデザインが志向されている。
3つのゲームモード——Girl編、Scientist編、Soldier編
本作には、異なる視点とルールで楽しめる3つのゲームモードが用意されている。
まず「Girl編」は、先述の少女を操作する標準的なモード。戦闘を伴いながら脱出を目指す、本作の基本体験が凝縮されている。
一方、「Scientist編」では、戦闘能力を持たない研究者が主人公となる。このモードでは戦闘が発生せず、代わりにマスに潜むモンスターのレベルを推理し、正解すればダメージを受けずに安全にマスを開けられる。配置されているモンスターの数やレベルの一覧が初期情報として与えられ、それらを手がかりにすべてのマスを論理的に解き明かす、より『マインスイーパー』本来のパズル性に近い設計だ。プレスリリースによれば、Scientist編の問題は初期状態の提示情報からすべて推論で解けるように設計されているという。
さらに「Soldier編」も収録されるが、詳細は現時点では明らかにされていない。3つのモードで異なるアプローチのパズル体験が提供される見込みだ。
開発背景——3万時間のマインスイーパー経験者が監修
本作を手がけるquziralab.は、illuCalab.の新レーベルだ。illuCalab.はゲーム開発者のEIKI`氏が代表を務める国内スタジオで、これまでに『HEART of CROWN Online』『幻走スカイドリフト』『アリス・エスケイプト!』『ホロガード』など、多様なジャンルの作品をリリースしてきた実績を持つ。
『Bloody Grids』の開発において特筆すべきは、ディレクターが『マインスイーパー』を3万時間以上プレイした経験を持つ点だ。その知見を活かし、すべての問題を完全監修。初心者向けのステージから高難易度のステージまで、幅広いプレイヤー層が楽しめるバランスに調整されているという。
体験版配信中&Steam Nextフェス参加決定
現在、Steamにて体験版が配信中だ。体験版ではGirl編とScientist編について、それぞれ2ステージずつプレイ可能。本作は6月15日より開催予定の「Steam Nextフェス」にも参加予定で、体験版を通じて得られたフィードバックを反映し、さらなる完成度の向上を図るとしている。
『Bloody Grids』はNintendo SwitchおよびPC(Steam)向けに、税込980円で2026年夏の発売を予定。手頃な価格設定ながら、3つのモードと緻密なレベルデザインによるリプレイ性の高さが期待される。『マインスイーパー』の論理パズルとしての面白さを愛する層はもちろん、RPG的な成長要素を求める層にも訴求する、ユニークなポジションのタイトルと言えるだろう。