反省と熱が生んだ2年。ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン、開発陣が本気度を明かす

カプコンが『ドラゴンズドグマ2』の大型DLC『ダークアリズン』を正式発表。ユーザーの声に応えた2年間の開発秘話を開発陣が語る。

投稿者 central
『DD2』DLC『ダークアリズン』はユーザーからの数万件のフィードバックを基に開発された。
ハイライト
  • ユーザーからの『もっと遊びたい』という声が開発のきっかけとなった。
  • 開発期間は約2年弱で、数万件のユーザー意見を真摯に反映している。
  • 発売日は10月9日で、PC/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|Sに対応する。

カプコンは6月9日、オープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ2』(以下、DD2)の大型有料DLCとして、『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』(以下、DD2DA)を正式発表した。Nintendo Switch2向けには本編と新規要素を統合したパッケージとしての発売も予定されている。本作は単なる追加コンテンツに留まらず、発売後に寄せられた数万件ものユーザーからの声を真摯に受け止め、約2年にわたる開発期間を経て結実したプロジェクトである。本稿では、ディレクターの木下研人氏とプロデューサーの大山直人氏へのインタビューを通じ、その本気度と目指した先の全貌に迫る。

「もっと遊びたい」という熱が生んだ2年間の開発

プロジェクトの発端は、『DD2』本編発売後のユーザーフィードバックにあった。大山氏は「『DD2』では発売から半年にわたってタイトルアップデートによる機能改善を施してきました。その後、ユーザーの皆様から『もっとこの世界を楽しみたい』『もっと遊んでいたい』という声を多数いただき、それに応えたいという思いからプロジェクトが始動しました」と経緯を語る。木下氏も「発売後はまずお客様の声をエネルギーや反省に活かして改善を続けつつ、次の展開を考えてきました。ひとまずはタイトルアップデートに尽力する格好でした」と振り返る。

開発期間は約2年弱。この間、徹底的にユーザーの声と向き合ってきたという。大山氏は「いただいた意見は数万件にも上り、その中のどれかひとつが決め手になったわけではありません。多かった『さらに遊びたい』という声がキーになり、新しいコンテンツやストーリー、アクション、モンスターをしっかり楽しめるものとして準備したいと、開発体制を見直して新プロジェクトとして立ち上げました」と説明する。木下氏はさらに、ユーザーからの「これで終わるなよ、信じてるぞカプコン!」という熱量を強く感じたと述べ、開発チームのモチベーションの源泉になったことを明かした。

遊びやすさへの徹底的なこだわり

本作のコンセプトは「より遊びやすく、まだ見ぬ冒険を、より手に取りやすく」。この方針のもと、本編のアップデートでも大胆な変化が加えられている。特に、発売当初から指摘されていた「不便さ」への対応は顕著だ。木下氏は「開発としては『リアルな冒険感』を楽しんでいただきたくてとった選択が、結果的にお客様にとっては『不便』という印象を与えるものでした。そこで、より長く遊んでいただけるよう選択肢を増やす形でさまざまなアップデートをおこなってきました。『DD2DA』においても、遊び方の拡張と新しいコンテンツを合わせて楽しんでいただけるよう計画しています」と語る。

8月に予定されているアップデートでは、アクション面での大幅な調整が行われる。具体的には、カスタムスキルセット数の拡張と、小型の敵に囲まれた際の連続攻撃によるハメ状態の改善だ。木下氏は「皆様からのフィードバックで一番大きかったのは『カスタムスキルセット数が少ない』というご意見でした。また、小型の敵に囲まれて動けなくなり、そのまま倒されてしまう点も大きなストレスになっていました。この2点は大きな改善をすべきだと判断しました」と説明する。

新エリア「ノルガン」の全貌

フィールドで楽しむハクスラ

本DLCの目玉は、物語の舞台となる新エリア「ノルガン」だ。ヴェルンワースやバタルがある大陸の遥か北方に位置する、かつて栄えたが滅びたとされる極北の領土。木下氏は「本編で冒険するフィールドの遥か北方に、かつて栄えた知られざる領土があるらしい……というのが第一の舞台設定です。滅んだはずの領土に異変が起きることで、プレイヤー覚者はその謎を追うことになります」と解説する。

特筆すべきは、このノルガンが単なるダンジョンではなく、オープンフィールドとして設計されている点だ。前作『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』(DDDA)の閉鎖的なダンジョン「黒呪島」とは一線を画す。木下氏は「『DDDA』ではハックアンドスラッシュのダンジョン物をひとつの形にできたと思っていますが、全く同じものを提供するだけでは新しさがありません。今回はフィールドでハクスラができ、行動範囲を徐々に広げながら物語を進められる構造を成立させたいと思って制作しました。メインストーリーとは別にサブクエストも用意できるなど、広さならではのメリットがあります」と語る。

15~20時間の濃密な物語とハクスラ要素

ノルガンでのメインストーリーのクリア時間は約15~20時間を想定。これに加え、本編側にも12種類のユニークダンジョン「忘れられた試儀」が追加され、こちらは1ダンジョンあたり30分~1時間程度。合計で25時間以上の新規コンテンツボリュームとなる。さらに、初めてプレイする場合は本編の30~40時間と合わせ、非常に充実した体験が約束される。

ノルガンでは、ハクスラ要素として「遺戦品」と呼ばれるアイテムを収集するサイクルが導入される。これを鑑定することで、より強力な武器や防具、スキルがランダムに入手でき、自分だけのビルドを追求する楽しみが加わる。木下氏は「装備品に能力として付加されているカスタムスキルやアビリティが抽選される仕組みです。自分にフィットするものを引くために周回して楽しんでいただくことを重視しています」と説明する。

難易度設計と新たな挑戦

新エリア「ノルガン」への推奨レベルは40。一方、本編に追加される12のダンジョン「忘れられた試儀」はレベル20から挑戦可能だ。大山氏は「ノルガン自体はストーリー序盤、王都ヴェルンワースに着いた時点でクエストを受注でき、かなり早い段階からアクセス可能です。12ダンジョンは経験値補助としても活用でき、本編を進めやすくするための手段にもなります」と説明する。熟練プレイヤー向けには「ハードモード」の導入も検討中であることが明かされた。

また、レベルシンクのような敵の強さがプレイヤーに比例して変動するシステムは採用されていない。木下氏は「比例で相手の強さが変わる仕組みは、好き嫌いも分かれるため入れていません。ただ、熟練の冒険者向けに、より緊張感のある難易度で遊べる『ハードモード』の導入を検討しています」と語る。

Switch 2版へのチャレンジ

Nintendo Switch 2版のリリースは、本DLCの開発が決まった後に追加で決定された。大山氏は「先に、既存ハードのお客様に向けて新しいコンテンツをお届けしたいという思いで作り始めました。その間に、『バイオハザードレクイエム』や『プラグマタ』などを通じてSwitch 2とRE ENGINEの親和性が高いことがわかり、『DD2』も移植できるのではないかとチャレンジが決まりました。思っていたよりスムーズに移植が進んだので、同じタイミングで発売させていただく運びとなりました」と経緯を明かす。

移植にあたっては、特にパフォーマンス周りの最適化が課題となった。大山氏は「チームメンバーには非常に頑張ってもらっています。『DD2』発売当初にユーザーの皆様からさまざまなご意見をいただいていた箇所でもあり、最適化が最初の課題でした。Switch 2版の対応と合わせて、より細かい処理改善を積み上げました」と語る。

「ダークアリズン」の名に込めた想い

本作が前作の拡張版と同じ「ダークアリズン」のサブタイトルを冠した理由は三つある。大山氏は「一つ目は物語との親和性。『ダークアリズン』というタイトルを意識して作ったわけではありませんでしたが、結果的に本作で語りたかった内容と非常に合致しました。二つ目はハクスラ的要素。敵と戦って強い鑑定品を集め、強化して先へ進むサイクルが無印『ダークアリズン』を彷彿とさせます。三つ目は、このストーリーとアクション面の追加要素を伝えるのに、一番馴染みのある名称だと考えたからです」と説明する。

木下氏も「『DDDA』の時も、1作目を遊んでくれたプレイヤーから『もっとこの世界で遊びたい』というご要望をいただきました。今回も同じような熱量を感じ、戦闘を中心にさらに楽しめるコンテンツとして計画すべきだと考えました。1作目を知っているお客様には懐かしんでもらい、覚えてもらいやすいということで、改めて『ダークアリズン』にしました」と補足する。

『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』は、PC(Steam)/Nintendo Switch 2aaa/PS5a/Xbox Series X|S向けに10月9日発売予定。ユーザーの熱意と開発チームの真摯な反省が生み出した本作が、果たしてどのような新たな冒険をもたらすのか。その全貌が明らかになる日を、待ち遠しく思う。

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