利上げ観測でBTC急落、一時7.6万ドル台に下落

FRBの利上げ観測がビットコインを直撃、7.6万ドル台に急落。企業の資金調達やEthenaの株式市場進出も注目。

投稿者 central
ビットコイン価格チャート、急落を示す赤いローソク足。
ハイライト
  • 利上げ観測によりビットコインが一時7.6万ドル台まで急落した。
  • ビットコインを保有する企業3社が転換社債などで資金調達を発表した。
  • Ethenaがステーブルコイン裏付け資産を120兆ドルの株式市場に拡大する計画。

ビットコイン(BTC)は8月28日の取引で一時76,909ドルまで急落し、同日の高値圏である8万ドル台から約4%下落した。世界の暗号資産時価総額は436兆円、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は約59.9%となっている。イーサリアム(ETH)は約39.0万円、ソラナ(SOL)は約1.66万円で推移しており、市場全体が警戒ムードに包まれている。

ジャクソンホール後の急落:利上げ観測がビットコインを直撃

8月28日に開催されたジャクソンホール会議で、ケビン・ワーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演を行った。議長は5月の就任以来、政策の先行き指針(フォワードガイダンス)を避ける姿勢を貫いており、今回も9月の利上げを明言しなかった。しかし市場は、会合の前後で9月15〜16日の連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ確率を約35%から約60%へと一気に引き上げた。この観測がビットコインの売りを誘い、一時7.6万ドル台への下落を招いた。

利上げは一般的にリスク資産にとって逆風となる。ビットコインもその例に漏れず、米金利上昇見通しが強まると投機マネーの流出が加速する。今回の急落は、FRBのタカ派姿勢が再び市場の意識に上ったことを示している。

ビットコイン財務3社の資金調達比較:共通する負担の後払い構造

8月27日から28日にかけて、ビットコインを財務資産として保有する上場企業3社が、相次いで資金調達を発表した。フランスのキャピタルB、教育・AI事業を手掛けるジーニアス・グループ、そして米ナスダック上場のアルファ・モーダスである。規模や業種は大きく異なるものの、株主が引き受けるリスクの置き場所という観点で分析すると、共通の構図が見えてくる。

いずれの企業も、転換社債や株式発行を通じて調達した資金をビットコインの購入に充てている。注目すべきは、負担の支払いを将来に先送りする構造だ。例えば、転換社債は償還時に株式へ転換されるため、現金流出が発生しない半面、株主が希薄化リスクを負う。ビットコイン価格が上昇すれば株主も利益を享受できるが、下落局面では負担が株主に集中する可能性がある。この「後払い」の手法は、企業財務の観点からは有効である一方、価格変動リスクを資本市場に転嫁する新たなパターンとして注目される。

Ethena、株式パーペチュアルへ拡張:ステーブルコインの新戦略

合成ドル「USDe」を運営するEthenaは8月28日、裏付け戦略を株式のパーペチュアル(無期限)先物へ拡張する計画を公表した。これまでEthenaは仮想通貨のベーシス取引(現物と先物の価格差を活用)で収益を挙げてきたが、仮想通貨市場のファンディングレート低下により収益力が減少している。そこで対象市場を約2兆5,000億ドルの仮想通貨市場から、120兆ドルを超える株式市場へと広げる狙いだ。

株式パーペチュアルは、伝統的な指数先物と異なり期限を持たず、資金調達率(ファンディングレート)により価格が調整される。Ethenaはこの仕組みを活用し、より安定した利回りの確保を目指す。同社の試算では、従来の仮想通貨ベーシス取引と比較して最大5倍の利回りが期待できるという。ただし株式市場での流動性や規制環境は仮想通貨市場とは大きく異なり、新たなリスクも内包している。ステーブルコインの裏付け資産を多様化する動きは、今後の業界全体の方向性を左右する可能性がある。

今回の一連のニュースは、暗号資産市場がマクロ経済指標や金融政策の影響を強く受ける一方で、企業やプロジェクトが新たな資金調達手法や収益モデルを模索している現状を如実に示している。ビットコインの価格変動は当面、FRBの政策動向や米経済指標に左右される展開が続くと予想される。投資家は利上げ観測の変化を慎重に見極めるとともに、企業の財務戦略やステーブルコインの発展が市場構造をどのように変えるかを注視すべきである。

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