キオクシアに366億円賠償命令、米特許訴訟で判決

米テキサス州連邦地裁がキオクシアに約366億円の賠償を命じる判決。同社は控訴の方針を示す。

投稿者 central
約5年の係争を経て、キオクシアに366億円の賠償命令が確定。
ハイライト
  • キオクシアHDは米子会社が特許侵害で約366億円の賠償命令を受けたと発表した。
  • 原告は米衛星通信会社Viasatで、陪審評決に基づき判決が言い渡された。
  • キオクシア側は控訴の方針を示し、事業への影響は否定している。

半導体大手のキオクシアホールディングス(キオクシアHD)は8月3日、米国子会社であるキオクシアおよびKioxia Americaが現地裁判所から特許権侵害訴訟で約366億円(2億2900万ドル)の損害賠償支払いを命じる判決を受けたと発表した。原告は米衛星通信会社Viasatで、約5年にわたる係争の末、テキサス州西部地区連邦地方裁判所が陪審評決に基づき同額の賠償を命じている。

陪審評決から判決確定へ、係争は約5年

本訴訟は2021年11月29日(現地時間)にViasatがキオクシアグループを相手取って提起したものだ。Viasatは、キオクシアグループ製品の一部が自社の特許の請求項1件を侵害していると主張。キオクシア側は侵害を否定して争ったが、2026年7月16日(現地時間)にテキサス州西部地区連邦地裁の陪審が約2億2900万ドルの支払いを命じる評決を下した。その後、同裁判所は7月31日に陪審評決を踏襲する形で判決を言い渡した。キオクシアHDは適時開示資料でこの事実を公表し、賠償額は1ドル160円換算で約366億円に相当すると説明している。

キオクシア側は控訴の方針、事業影響は否定

キオクシアHDは「Viasat社の主張及び本判決は到底容認できるものではない」として、必要に応じて控訴するなど、取り得るあらゆる法的手段を講じる方針を改めて示した。同社によれば、現時点で判決が顧客への製品・サービスの提供に及ぼす影響はなく、事業活動は通常通り継続されるという。訴訟費用については、陪審評決の内容を踏まえ、2027年3月期第1四半期決算で約2億2900万ドルを訴訟損失引当金として計上済みであることを明らかにしている。今後の開示すべき事由が発生した場合には、適宜公表するとしている。

訴訟損失引当金の計上と半導体業界の知財リスク

キオクシアHDは今回の判決を受け、既に決算上で損失を見積もって引当金を計上している。この措置により、2027年3月期の業績への影響は限定的とみられるが、控訴審が長期化すれば追加費用が発生する可能性もある。半導体業界では、NANDフラッシュメモリなどの先端技術を巡る特許訴訟が頻発しており、今回のケースはグローバルな知財戦略の重要性を改めて浮き彫りにした。キオクシアは米国市場において主力製品を展開しており、今回の判決が今後の訴訟戦略やクロスライセンス交渉にどのような影響を与えるか、業界関係者の注目が集まる。

キオクシアHDは控訴により長期化する可能性を視野に入れつつも、事業への直接的な影響はないと強調している。今後の控訴審の行方と、同社の知財ポートフォリオの強化策が問われることになる。

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