NVIDIAは2026年3月より提供を開始した「DLSS 4.5」により、AI超解像技術とダイナミックマルチフレーム生成を進化させている。本稿では、この最新技術をエントリークラスのゲーミングノートPCで活用し、オープンワールドドライビングゲームの最新作『Forza Horizon 6』をどこまで快適にプレイできるのかを検証する。検証機は「GeForce RTX 5060 Laptop GPU」を搭載したノートPCで、WQHD(2560×1440)解像度、165Hz駆動のディスプレイを備え、CPUにIntel Core i7-14650HX、メモリ16GBという構成だ。
『Forza Horizon 6』は、日本を舞台に東京の繁華街から田舎道、峠、雪山まで多様なロケーションをドライブできるシリーズ最新作。緻密なグラフィックと高い没入感が魅力だが、その美麗な世界を引き出すには相応のスペックが必要となる。メディアレビュー集積サイトMetacriticでは今年最高となるメタスコア90を記録し、発売から1か月でプレイヤー数は1000万人を突破している。
ネイティブでも実用的なRTX 5060 Laptop、DLSS 4.5でさらなる高みへ
まず、DLSSやフレーム生成を使用しないネイティブ状態での性能を確認した。ゲーム側の推奨設定である「高」プリセットでは、多くの場面で80fps前後を維持し、繁華街や夜間といった負荷の高いシーンでも70fps前後を記録。レースゲームとして十分快適なフレームレートであり、操作感にも違和感はない。エントリークラスのノートPCでも、素の性能でしっかりと遊べる実力が示された。
続いて、画質設定を一段階上げた「ウルトラ」プリセットを試す。花の物量や木々の陰影、スクリーンスペース反射の品質が一段と向上し、Xbox Series X版に近い美麗なグラフィックを楽しめる。しかし、その分負荷は増加し、フレームレートは通常時で60fps前後、負荷の高いシーンでは50fps前後に低下した。ここで「DLSS 4.5」の出番となる。
本検証では、NVIDIA Appから「DLSS オーバーライド – フレーム生成モード」を「動的」に設定し、マルチプライヤで「最大6x」を選択。さらに『Forza Horizon 6』ではフレーム生成モデルを「プリセットB」に設定した。ゲーム内では解像度WQHD、プリセット「ウルトラ」、DLSS Super Resolutionを「自動」、Frame Generationを任意の倍率に設定することで、NVIDIA App側の設定が適用される仕組みだ。
実際に走行を開始すると、その効果はすぐに体感できた。ほとんどの場面でフレーム6倍の165fpsを維持し、負荷の軽いシーンではフレーム5倍の150fps前後に動的に変化する。操作上の違和感は皆無だ。内部解像度は負荷に応じて自動最適化され、第2世代となったAIモデルによるアップスケーリングは非常に精細で、ネイティブ画質との見分けがつかない。TAAと比較するとオブジェクトのジャギが目立ちにくく、車体の輪郭もより鮮明に感じられた。時速300kmを超える高速走行中であっても、景色のちらつきが劇的に改善され、滑らかそのものだ。
6倍ものフレームを生成することに伴う残像感を懸念する声もあるが、実際にはごくわずかであり、ほとんどの場面で意識することはない。むしろ、50fps前後から150fps前後への向上による圧倒的な滑らかさの恩恵のほうがはるかに大きい。今回検証した中では、「ウルトラ」プリセットとダイナミックマルチフレーム生成の組み合わせが、画質とフレームレートを高いレベルで両立するベストバランスだと結論づけられる。
レイトレーシングも実用的に、エントリーノートPCの限界を突破
さらに、『Forza Horizon 6』が対応するレイトレーシング(RT)反射についても検証した。車体や水たまりへの写り込みをより自然にする表現だが、スペック要求は高い。今回は負荷を考慮し、推奨設定「高」プリセットをベースにRT反射を有効化。DLSS 4.5のダイナミックマルチフレーム生成も併用した。
この設定でも、多くの場面でフレーム5倍の165fpsを維持。負荷に応じてフレーム4倍の150fps前後に切り替わりながらも、通常のドライブやレースでは快適にプレイできた。レイトレーシングならではの自然な反射表現が加わることで、よりリアルな日本の空気感が描き出される。
さらに画質を追求したい場合は、「ウルトラ+RT」プリセットも選択肢となる。負荷上昇を見越して解像度をフルHD(1920×1080)に変更し、DLSS Super Resolutionを「パフォーマンス」に設定。この設定では、多くの場面でフレーム6倍の150fps前後を維持し、負荷の高いシーンでも120fps前後を記録した。
そもそも今回使用したのはエントリークラスのノートPCである。本来であればレイトレーシングの利用が難しい状況でも、DLSS 4.5を活用することで実用的かつ快適に動作したこと自体が驚きだ。RTX 50シリーズの進化、そしてDLSS 4.5の効果を強く実感させる結果と言える。『Forza Horizon 6』で描かれる美しい日本を、最高の画質と快適さで楽しみたいプレイヤーにとって、RTX 50シリーズ搭載ノートPCは極めて有力な選択肢となるだろう。