テレビ番組「水曜日のダウンタウン」などで知られる藤井健太郎氏がプロデュースする「THE FIRST ZOMBIE」(PC / Nintendo Switch)は,人間をゾンビに変え,仲間を増やしていく“逆ゾンビゲー”だ。
物語は,ごく普通の青年がある朝ゾンビになってしまうところから始まる。ところが本人は,疲れ知らずの体を手に入れたことを喜び,みんなをゾンビにすれば世界を救えるのではないかと思い立ち,東京の街へと繰り出していく。
東京ゲームショウ2026のPhoenixxブースで,Phoenixxの野崎雄大氏にインタビューを実施した。“逆ゾンビゲー”という一風変わった企画はどのように生まれたのか。そして藤井氏のアイデアを,どうゲームへと落とし込んでいるのか。その制作の裏側を聞いた。
藤井氏のアイデアを,どうゲームにしていくのか。“逆ゾンビゲー”に込めた分かりやすさ
4Gamer:まずは,本作の企画が生まれた経緯を教えてください。
野崎氏:以前から藤井さんとはやり取りがあり,「藤井さんの企画で,新しいゲームを作りませんか」という話になったんです。本作は製作委員会で制作を進めていますが,そのなかでとくに藤井さんと一緒に企画を詰めてきたのが,私と関 純治さんです。関さんは,以前に藤井さんと「クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵」を制作したハッピーミールの代表取締役社長です。
4Gamer:ゾンビを主人公にするという発想も,藤井さんから出てきたのでしょうか。
野崎氏:そうですね。どんなゲームがいいかを話すなかで出てきたのが,ゾンビという題材です。普通は人間が主人公で,敵のゾンビを倒していきますが,今回はその逆にして,ゾンビが人間を倒していく“逆ゾンビゲー”を作ってみよう,となりました。
街を選ぶ画面には,渋谷や新宿,上野のほか,秋葉原や巣鴨なども並んでいる。
4Gamer:藤井さんのアイデアを形にしていく流れを教えてください。
野崎氏:藤井さんの「こんなことはできますか」というアイデアを関さんがゲームにしていく,という流れです。もちろん,すべてをそのまま実現するわけではありません。こちらから「こういう問題があるのでは」と相談すれば,「それならやめよう」と見直すこともあります。開発中のものをお見せして,「こうすると面白いのでは」とさらに意見をもらいながら,作り込んでいくんですね。
4Gamer:テレビの仕事で知られる藤井さんと制作するなかで,とくに印象に残っていることはありますか。
野崎氏:分かりやすさを大切にされていることですね。面白いかどうかだけでなく,その面白さがきちんと伝わるかまで考えられているんです。普段からゲームを遊ぶ方はもちろん,藤井さんの番組を見て興味を持った方にも,入ってきてもらえるゲームにしたいと考えています。
ゾンビなのにポップでかわいい。見た目から興味を持ってもらえるキャラクター作りを
4Gamer:ゾンビという題材ながら,キャラクターはとてもポップですね。デザインはどなたが担当しているのでしょうか。
野崎氏:藤井さんのクリエイティブを手がけているODDJOBさんに,今回も本作の世界観を表現するため参加していただいています。大切にしているのは,ゾンビであってもおどろおどろしくするのではなく,ポップに見せることですね。
4Gamer:登場するキャラクターも多彩ですが,制作にはかなり手間がかかっているのではないですか。
野崎氏:そうですね。人間とゾンビそれぞれのデザインとアニメーションを用意する必要があるので,作業量が多いんです。
髪型や顔,頭の色などを選ぶ項目もある。
4Gamer:主人公については,Steamで公開されているスクリーンショットを見ると,カスタマイズのメニューもありますね。
野崎氏:自分が操作する主人公のゾンビは,服を着替えたり,アクセサリーを付けたりして,見た目を変えられます。
4Gamer:キャラクターを好きになって遊び始める人もいそうです。会場での反応はいかがでしたか。
野崎氏:今回はティザームービーの展示だけですが,「かわいい」という声をたくさんいただいています。作品そのものを詳しく知らなくても,キャラクターが好き,という入り方もありますよね。本作も,見た目に惹かれた方がゲームに興味を持ってくれたらうれしいです。さらに,藤井さんの番組のファンにも「また何かやっているぞ」とワクワクしてもらいたいですし,その期待に応えられるものにしたいと考えています。
4Gamer:最後に,本作が気になっている読者へメッセージをお願いします。
野崎氏:まだ明かせない要素も多いですが,さまざまな仕掛けを用意していますので,ぜひ期待して待っていてください。
ゾンビを倒すのではなく,人間をゾンビに変えて仲間を増やし,東京の街をゾンビ化していくという,一風変わった「THE FIRST ZOMBIE」。ポップなキャラクターデザインも含め,「水曜日のダウンタウン」などを手がけてきた藤井健太郎氏が,ゲームという舞台でどんな仕掛けを見せてくれるのか気になるところだ。
インタビューでは,ここで紹介した内容以外にもいろいろと話を聞くことができた。どれもなかなか面白そうで,ぜひ書きたいところなのだが,残念ながら現時点ではまだ明かせない。なんとももどかしいところだが,その内容については今後の発表を楽しみにしておこう。