ホワイトハウスが、スティーブ・ファインバーグ国防副長官の後任候補を審査していることが、事情に詳しい関係者3人の話で明らかになった。既に異例の頻度で進む国防総省の人事異動に、さらなる指導部交代の波が及ぶ可能性が出てきた。
後任の審査は6月時点で進められており、政権の候補者が上院で承認を得られるかどうかについて、上院の有力議員らとの協議も行われた。関係者の1人は、8月下旬の時点でも審査が継続中であると証言している。ホワイトハウスがいつ候補者の検討を始めたのかは判明していない。
一方、3人の関係者はファインバーグ氏を更迭する決定は下されていないと明言。ホワイトハウスが後任審査に踏み切った理由や、具体的にどの人物が候補に挙がっているのかについては、明らかにされていない。
ファインバーグ国防副長官の後任審査とは
ファインバーグ国防副長官の後任審査とは、ホワイトハウスがスティーブ・ファインバーグ国防副長官の後任候補を選定するために進めている人事審査のことだ。6月時点で進行中とされ、8月下旬にも継続していた。上院の有力議員との間で、後任候補が承認を得られるかの事前協議も行われている点が特徴だ。
国防副長官は、国防総省におけるナンバー2のポストだ。国防長官を補佐し、政策の統括、予算編成、軍備調達、省全体の運営など幅広い権限を担う。米国の安全保障政策の中枢を支える要職であり、交代となれば軍の戦力整備や同盟政策にも影響が及ぶ可能性がある。
ファインバーグ氏は、投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントの創業者として知られる実業家だ。トランプ政権発足後に国防副長官に就任し、国防総省の運営を取り仕切ってきた。民間出身らしい経営視点を国防政策に持ち込む異色の存在であり、その去就は米国防業界や同盟国の間でも関心を集めている。
国防総省で続く異例の人事異動
国防総省は政権発足以来、高官の交代が相次いでおり、政府機関全体で見ても異例の高水準にあるとの指摘がある。安全保障政策の要であるがゆえに、人事のたびに政策の一貫性が問われる事態となっている。
そうした中で浮上した後任審査の報道は、国防総省の指導体制がなお流動的であることを浮き彫りにする。国防副長官は省全体の運営を取り仕切る立場だけに、人事が確定するまでの間、政策決定のスピードが鈍る懸念も指摘される。
今回の動きで見逃せないのが、上院の有力議員との事前協議の存在だ。国防総省の高官人事には上院の承認が必須であり、政権側は承認を得られる見込みのある人物を選定する狙いがあるとみられる。
上院での承認プロセスが焦点に
後任候補が上院で承認を得られるかどうかは、与野党の力関係や議員の個別の判断に左右される。場合によっては後任人事が難航する可能性もあり、政権側が事前に議員への根回しを進めていたのは、承認プロセスを見据えた戦略的な動きだったと解釈できる。
また、国防副長官には巨額の予算を管理し、軍の調達計画を統括する高度な経営能力が求められる。ホワイトハウスがどのような人材を後任に想定しているのかは不明だが、実務経験のある人物を起用すべきだとの声も上がっている。
現時点では、ファインバーグ氏を実際に更迭するのか、それとも審査の結果、留任となるのかは不透明だ。ホワイトハウスが後任審査に踏み切った理由も明らかになっていない。6月時点で既に進められていた審査が8月下旬まで続いているという経過からは、政権が人選を慎重に進めている様子がうかがえる。
ただ、関係者3人の証言を総合すると、ホワイトハウスが国防総省のナンバー2交代を視野に入れた動きを進めていることは確かだ。後任人事が具体化すれば、米国の国防政策や調達戦略に少なからぬ影響を及ぼすことは避けられない。日米同盟の観点からも、国防総省の指導体制が安定するのか、今後の動向が注目される。